知って得するエクステリア製品の有効活用方法

ご承知の通り、多数のエクステリア商品が開発されています。でも、せっかく取り付けても、その機能を充分に発揮できていないことも良くあります。

 

そこで、代表的な商品を取り上げ、その「有効活用法」を提示しておきます。ご購入の際の参考にして頂ければ幸いです。

 

 

「デッキ」は必需品に・・・ でも選び方は


木製デッキは、ガーデンライフのベース商品として、必需品になりつつあります。でも、価格も材質も多種多様。どのような物を選んで良いか分からず、「ホームセンターで安かったから」「施工会社に進められるままに」・・・と言ったケースが多いのでは無いでしょうか。そこで参考となるよう、主な材質と特長、それに選択のポイントを示しておきましょう。

 

1、「SPF」材のデッキ

「2(ツー)×(バイ)4(フォー)工法(枠組壁工法)」と呼ばれる、欧米の木造住宅に使われる輸入材のこと。Sとはスプルース(ツガ)、Pとはパイン(マツ)、Fとはファー(モミ)のことで、この3種混合で構成されています。
最近はホームセンターでも販売されており、多目的に使用されています。魅力は何と言っても価格の安さ。本来、屋外用に開発された物ではないので、耐久・耐候性には問題があります。また、そり・ひねり・ひび割れもかなり大きく、良質のデッキ用材とは言えません。しかし、安いので問題があれば部分的に取り替えることを前提に、DIY用として使用するには、お勧めの材料と言えます。

 

2、「パイン防腐注入材」のデッキ
パイン(マツ)材は、耐候性の問題から、そのまま屋外用に使うには問題があります。そこで、防腐処理を施し使用できるようにした物がこの材料です。特色としては、価格は比較的安い、産地の範囲が広く北欧産以外の物は品質が劣る、そり・ひねり・ひび割れが多い、安全性にやや問題がある・・・などを上げることが出来ます。
デッキにした場合は「中級品」と言えるかも知れません。施工付きで専門店に頼むにしてはやや中途半端で、ペットや子供がいる場合は避けるべきでしょう。最低限、材料選びに熟知した会社(店)から購入して下さい。

 

3、「ウエスタン・レッド・シーダー」のデッキ
米杉のことで、最も多く使われている材料の1つ。価格は中クラス。耐候性・耐久性には比較的優れており、そり・ひねり・ひび割れも少ない。ただ、部位による品質のバラツキが多く、良質の材料を揃えろことは困難になってきています。
パイン材同様、中級品で専門店に頼むにはやや中途半端。部分的補修・塗装などのメンテをいとわないお客様は、この材料を選ぶのに適しているかも知れません。

 

4、「アイアンウッド」のデッキ
「アイアンウッド」とは、熱帯広葉樹で比重約1(水とほぼ同じ)で非常に重く耐久・耐候性抜群の木材の総称です。「屋外ノーメンテ使用で20年以上の耐久性」がこの名称を使用する条件で、イぺ、ウリン、マサランドゥーバ(通称アマゾンジャラ、パシフィックジャラ)、セランガンバツ、などが代表的な物。
そり・ひねり・ひび割れ、などは材料により多少差はありますが、施工方法でカバーできる範囲。おおむね良好と考えて良いでしょう。ただし、堅くて重い分加工性が悪く、DIY用として使うには不向きです。
価格はやや高く「高級品」と言えるかも知れません。ただ、長期使用でのランニングコストを考えるとお得で、専門店に発註するには最適の材料と言えるでしょう。

 

5、「木樹脂」のデッキ
「木樹脂」とは、樹脂に木粉(51%以上)を加え人工的に作った材料。
耐久・耐候性に優れ、そり・ひねり・ひび割れ、も殆どありません。
エクステリアメーカー一押しの材料でもあります。
価格が高く、「高級品」と言わざるを得ませんが、普及と共に少し安くなりつつあります。ただ、あくまで「人口材」で、天然木の風合いはありません。その意味では、人工的な美しさが似合うガーデンには、適した材料と言えるかも知れません。
「木樹脂」も専門店に発注する価値を持った、材料と言えるでしょう。

 

SPF 価格が安く、部分取替・補修を前提に、DIY用としお勧め。
パイン注入材 やや中途半端。ペット・子供のいるところは不向き。
レッドシーダー やや中途半端。メンテ・補修OKならお買い得。
アイアンウッド 専門店に発註するには最適。20年以上ノーメンテで使用可能。
長期的にはお買い得。
木樹脂 専門店に発注するには最適。自然派ガーデンには不向き。

 

 

「テラス」は手軽で便利な「多目的商品」


エクステリアの世界では、簡易の軒のような役割を果たす商品のことを「テラス」と言います。本来、テラスと言えば建物から張り出した石貼り、タイルなどで作ったフロアのことですが、ここでは習慣に従って下さい。もっとも、良く普及している商品群で、一般の方にも「テラス」と言う名称はかなり定着してきているようです。
その「テラス」の主な商品の、有効活用法を確認しておくことにします。

 

1、「波板テラス」
屋根材に波板を使った、最も価格の安い商品で、元祖テラスとも言える物。
ただ、デザイン面で難点があるため、最近ではあまり見かけなくなっています。
でも、デッドスペースを収納庫などに変身させるには、これほど有効な商品はありません。安くて、機能優先の使い方をすれば、あなたのガーデンライフにもっともっと有効利用することが出来ます。
それには、アルミ製品というより、木と波板で簡易屋根を作るのと同じ感覚に立つことが大切です。この様な場合は、やはり「専門店」に相談するのが最も良いでしょう。

 

 

2、「軒下型簡易収納庫」
波板テラスでは、場所によっては施工性が悪い。ドアなどをセットし、簡単に機能性をアップさせられる。よりスッキリとしたデザインに・・・。この様な要望を満たすため、改良型として開発された物が「軒下型簡易収納庫」です。
家屋と隣地境界の間に出来たデッドスペースで、あまり複雑な形状でない場所に最適です。特に、前記したよう、ドアなどを付け収納物をしっかりとしまい込む場合には、最適な商品で、波板よりおしゃれで丈夫なパネル材も用意されています。

 

 

3、その他のテラス
アクリルやポリカーボネートの屋根材を使った様々なデザインの「テラス」。
アール屋根やフラット屋根タイプが主流ですが、色やデザインが気に入った物、周辺にマッチする物を選べばよいわけで、特筆するほどのことはありません。     ただ、テラス全体の注意事項として、積雪が多い地域はそれに対応した積雪地域用の商品を選ぶ、物干し用として使う場合が多いので「竿掛け」をセットすることを忘れない、と言う2点を注意事項として付記しておきます。
それよりも、最近、商品として注目されるのは、柱・梁と屋根の組合せが自由になるフリータイプ。特にデッキと組み合わせる場合は、セッティングに便利で、デザイン面でもマッチしやすいこのタイプをお勧めします。カラーも、木目調を選べば、ほとんど違和感というものがありません。

 

 

「ファブ・エクステリア」が新しい空調を創る・・・


「ファブ」とは布のことです。となると、あまりエクステリアとは関係がなさそうに思いますが、テント生地の発達と共に、幅広い分野で取り入れられるようになりました。「オーニング(可動式の日除け)」「簡易的な日除け」「パラソル」などが主な物ですが、門廻りの一部、間仕切りなどにも使われるようになり、私達の暮らしに随分貢献してくれるようになりました。
そこで「ファブ・エクステリア」の主な商品、有効活用法について述べておくことにします。

 

1、「オーニング」の種類と有効活用法
「オーニング」とは、本来は可動式の日除けのこと。最近では固定式の物を「テント」と言い、使い分けています。
住宅に使われるのは主に「オーニング」で、欧米では必需品として幅広く普及しています。日本の場合は、これから・・・と言った感がありますが、それでも最近大きな注目を集めるようになりました。
カラフルでおしゃれ、「日除け」だけでなく「雨除け」としても充分使える、品種が増えお手ごろ価格の商品も多くなった・・・などが主な理由。テラスに替わり取り付けても、充分にその能力を発揮してくれます。
そこで、主なタイプを列記しておきますので、ガーデンライフを楽しむため、ぜひ参考にして下さい。

 

ア:オーソドックスな「アームタイプ」。キャンバス(生地)の下に伸び縮みするアームがあり、これで広げたりしまったりする。キャンバスは巻き取り式で電動式、センサーによる自動開閉式も多い。

 

 

イ:補助支柱を使い、施工性を良くしたタイプ。基本構造は「アームタイプ」と同じ。ただ、この場合プレートにかかる負担が大きくなる。それを軽減するため、補助支柱を付け施工性を良くしたタイプ。

 

 

ウ:オシャレにこだわった折りたたみタイプ(デザインは多種)。アームデザインは様々だが、折りたたみタイプは主に窓用で、オシャレにこだわった物が多い。日本では未だ住宅に使うことは少ないが、住まいの多様化に伴い普及してくるのではないか。

 

 

2、その他の「ファブ・エクステリア」商品
オーニング以外の主な「ファブ・エクステリア」商品にも、魅力的な物があります。その代表的なものを取り上げておきます。
ビーチなどで見られる物より、少しグレードの高い「パラソル」類と、簡易タイプの「シェード(日除け)」がその主力商品。パラソルに関しては、ペットの日除けも含め、ガーデンでゆったりと時間を過ごすのに相応しい、満足度の高い商品が出まわり始めました。簡易タイプのシェードは、おしゃれでしかも値段も安く、ご自分で取付け可能な、魅力的で優れた物があります。これを機に、ぜひ暮らしにお役立て下さい。

 

ア:パラソルもひと味違った、高品質でデザイン面でも優れた物が・・・。

 

 

イ:簡易タイプの「シェード」には安くて使い勝手の良い優れ物が・・・。

 

 

カーポートはもっとニーズに合わせた選択が必要


テラスと共に、もっともなじみの深いエクステリア商品が「カーポート」でしょう。呼称としては、屋根だけでなく、両サイド・後部もパネルで覆ったボックス型の物を「ガレージ」、そして屋根だけのタイプを「カーポート」と呼んでいます。このコーナーでは、普及率の高い「カーポート」に限定し、選び方のポイントをチェックしていくことにします。

 

1、最も風の影響を受けやすい商品だけに、強度面のチェックを・・・。
「カーポート」で最初に確認したいことは「強風と積雪に弱い」と言うこと。独立型で家屋本体の強度を借りることが出来ない、屋根の面積が非常に大きい、と言う主に2つの理由によるものですが、この弱点に余りに無頓着なまま購入されているケースが目立ちます。
せめて、2台用以上の場合は「フレーム(桁)に継ぎ目のないタイプ」、単体で風当たりの強いところに設置する場合は「サポート柱」を付ける、程度のチェックはお願いしたいものです。もちろん、積雪が多い地域では「積雪地域対応型」の商品を選ぶ必要があります。
積雪の少ない地域でも同商品を選べば安心、という考え方もあります。ただ、デザイン面で少し難点があることも・・・この面で納得を頂けるなら、それも良い方法でしょう。
デザイン面で補足しておくと、カーポートも、住宅・ガーデンに合わせ、シンプルモダンを意識した物、アールの柔らかなラインを強調した物、重厚感を強調した物、など様々。にもかかわらず価格だけが強調されすぎ、同じタイプだけが普及するという傾向があります。
確かに、安いことはよいことですが、雰囲気が合わなかったり、下手をすると強度面で問題があったりしたのでは、取り返しがつきません。他の商品同様、もう少し選択肢を広げ購入する、習慣を付ける必要があるように思います。

 

2~3台駐車用はフレーム(桁)が継いでいないタイプを。

 

 

流れで単体の場合、風が強いところではサポート柱を付ける。 

 

2、フリータイプの活用で、カーポートのイメージ一新。
カーポートも多種多様なタイプが揃うようになりました。
その中で最も注目されるのが、テラス同様多用途に対応できるフリータイプ。
骨格の部分と屋根の部分を自由に組み合わすことが出来るので、単なるカーポートというより、フロントガーデン用の多用途商品として、幅広く活用できます。
アプローチのシェード、門廻りの商品との組合せによるトータルプランにももちろん活用できます。新しいガーデンの構成材として、ぜひ有効に利用して下さい。

 

フリータイプカーポートを使ったフロントガーデンプラン例

 

 

収納庫、物置を購入するとき知っておくと便利なポイントとは・・・


収納スペースについては、各所で触れましたが、ここでは物置そのものを購入する時、注意すべきポイントをまとめておきます。
収納庫と物置の違い。実は単なる習慣で、小さい物を「収納庫」、大きい物を「物置」と呼んでいるに過ぎません。したがって、どのサイズから呼び名が変わるという明確な定義もありません。ただ、店の担当者が収納庫と呼んだり物置と呼んだりしている場合は、たいていは大きさで使い分けているので、知っておくと便利です。
材質に関しては、鋼製、木製、樹脂製などが一般的で、デザイン・感覚重視の場合は木製、樹脂製などをお勧めします。ただ、特に木製製品の場合は、あくまで自然素材であり、そりひねりなどからすき間が出来、水が入ったりする危険性があります。ただ、その風合いは捨てがたいものがあり、ガーデニング好きのあなたには、用途を間違わなければ一押しの商品です。
それと比較し、鋼製の収納庫・物置はどちらかと言えば機能性中心。強度、耐候性にも優れ、サイズも幅広く揃っています。それだけに、どのような大きさ、形の物を選ぶかが上手な買い物のポイント・・・。

 

そこで、以下の項目をチェックしご購入下さい。
1、設置可能で有れば大きめの物を選ぶ。これは、収納物はすぐ増えるためで「大は小を兼ねる」の例えにもあるとおりです。
2、間口の広いタイプがお得。これは、奥行きがあっても人の出入りのためのスペースになってしまい、あまり役に立たないからです。ただし、収納物の形態が特種な場合は例外。
3、開口部が広く開く物が便利。当然収納物の出し入れに便利で、最近は3枚引戸、シャッターになっているなど、様々な工夫がなされている商品が増えています。この点もぜひチェックポイントに・・・。

 

機能重視で物置を選ぶなら、間口が広い物、開口部が大きく開く物のほうが使い勝手がよい。