これだけは知っておきたい基礎知識

ガーデン・エクステリアのプランを考える前に、これだけはぜひ知っておきたい、失敗しないための、そして便利な「知識」というものがあります。最初に、その基本的なものを取り上げ、確認しておきたいと思います。

 

「おとなり」とのトラブルを防ぐための、基本ルール


住まいというものは、ごく例外を除きご近所の敷地、家、それに生活と接触しているもの。それだけに、外構、ガーデン、エクステリアの工事を行うときの、ごく基本的なルールは知っておきたいものです。特に、左・右・奥の土地が接している「おとなり」との境界については、事前の打ち合わせで、トラブルが起こらないよう、注意したいものです。
上記のような境界部分を「隣地境界」と言いますが、ここにフェンスや塀を設け、区切りをはっきりさせる場合は、その費用の負担の仕方は条件により異なります。
まず、第一番目は「敷地に段差がない場合」。この場合は一般的には境界線の中央に仕切りを設け、費用は折半します。ただし、デザイン・内容等で両者の意見が一致しないと、費用分担の話はまとまりません。
この場合は、工事希望者側が自分の敷地内で費用を全額負担し、フェンス等を設けることになります。自己負担で行うため、どのような形態にするかは自由ですが、日照権、景観等の間接的問題もありますので、一応お隣に内容を伝え、了解を取っておくべきでしょう。「隣地境界」に段差がある場合は、一般的には上の段の土地所有者が自分の敷地内で費用を負担し、工事を行います。当然、費用負担し自分の土地を使う以上、どのような形にするかは自由ですが、やはりおとなりに概要を伝え、了解を取っておくべきでしょう。
また、「隣地境界」に無関係な工事でも、少し大がかりなものなら、騒音や職人の出入り、資材搬入等の問題もあり、周辺の住民の方には了解を得ておくべきでしょう。法的な問題、おとなりとの交渉などが必要でない場合は、工事会社が代行し、それを行ってももちろんかまいません。しかし、そうでない場合は、やはり、お客様に直接声をかけていただくことが大切です。

 

 

 

公共工事等の関連工事に関する基本ルール


ガーデン、エクステリア、外構、等に関する工事を行うとき、公共スペースも一部やり替えなければならない場合があります。例えば、ガレージを作るため、歩道を低くしなければならない場合等。
この様な場合は、勝手に工事を行うことは、もちろん出来ません。役所に許可を取る必要があります。ただ、殆どは工事会社が責任を持って行いますので、心配はありません。しかし、どこをどのように処理するかは、お客様自身が知っておく必要がありますので、確認だけはしておいて下さい。電柱などの、半公共物についても同じです。
ガーデン、エクステリア、外構、などは、建築、土木などの法律に従い、作られなければなりません。当然のことで、難しいようですが、この点は工事会社が知っていますので、実際には「お任せ」で結構です。ただ、それとは別に、市町村の条例、地域の特約次項があり、基本法律にプラスした規定がある場合があります。
例えば、ブロック塀は駄目で生垣にしなければならないとか、特種な造成用の資材を使わないといけないとか・・・。ただし、この場合は殆ど新しい団地に限定されています。従って、家や土地を購入されたとき、その規定がお客様に伝えられているはずです。この様な限定的な決まりに付いては、工事会社が知らない場合もありますので、お客様からその内容をあらかじめ伝えておいて下さい。
新興住宅地にほぼ限定されていますが、ご注意下さい。

 

ローンの間違った知識で、損をしないように・・・


ローンは大きく2つに大別されることをご存じですか。
1つは、工事を行う会社にお金が振り込まれる「信販ローン」。もう1つは、お客様の口座に銀行等からお金が振り込まれる、「一般のローン」です。
1つ目のローンは、お客様は所定の簡単な申し込み用紙に記入するだけで、その他の手続きはすべて工事を行う会社が行います。また、この場合は会社側があらかじめ契約しているローン会社のものしか使用出来ず、工事そのものの発注も他の会社にすることは出来ません。
「信販ローン」は一般的には、手続きが簡単(通常、即日か翌日に結論)、やや金利が高い、お金は会社側に入り支払いはお客様の口座から毎月引き落とし、指定工事会社以外への発注は出来ない、比較的少額の物件を主力対象としている・・・等を特色としてあげることが出来ます。
ただ、ボーナス払い、3ヶ月後の支払い(スキップ)、等にも使え、この場合大部分は工事会社側が金利を負担しますので、単なる分割だけでなく、有効に活用することも出来ます。
ただし、世間を騒がせているように、悪徳企業が無理に商品を売り込むことに使う場合もあるので、注意して下さい。

 

銀行ローンなどは、お客様が発注企業を自由に選べる


2つ目の「一般のローン」とは、「信販ローン」と異なり、基本的にはお客様の口座にお金が入金されます。銀行が直接お金を出すもの、銀行は通すが関連の保証会社を通すもの、最近は減少気味ですが、銀行は窓口だけで公共のもの、等がありますが、実際にその差は重要ではありません。
お客様の条件に合わせ、金利、手続きが簡単・難しい、などを調べ、最も良いと思われるものを、使っていただければよいのです。
それよりも重要なことは、これら「一般のローン」契約者はあくまでお客様単独であると言うこと。従って、どの会社が「見積書」などの資料を揃えようと、発注先はあくまで自由に選べると言うことです。もちろん、一部だけを他の会社に分離し発注することも可能です。
特に、新築時に良くあるケースですが、仮に2,000万円の住宅ローンをA住宅メーカーの見積書で申請するとします。その見積書の範囲は、住宅本体だけでなく、照明器具、インテリア関係、外構にまで及び、余裕のある金額を借り入れ出来るようになっていた。しかし、照明器具、カーテン、外構は他に気に入った会社があるので、住宅本体のみをA社に発注した。しかし、資料作成の関係で、部分的に他の会社へ発注することに難色を示した。
この場合、A社ができるだけすべてを受注したいのは当然ですが、あくまでローン契約者は「お客様単独」。当然、外構などの一部を他の会社に発注するのも自由です。あまり、強引なやり方でそれを阻止しようとするようなら、A社に問題があり、毅然とした態度を示して下さい。
ただ、資料を作るなど、A社の努力は認めるべきで、対応に問題がなければ住宅本体に関しては優先する、と言った考え方は大切だと思います。
一般的なローンでも、お客様の承認印をいただき、代行先として会社側の口座にお金が振り込まれるようにする場合もありますが、あまりお勧めできるものではありません。そして、この場合も契約はお客様と金融機関で、基本的条件は変わりません。
余談ですが、一般的なローンでも、新築そのものを中止するなど、全面キャンセルになる場合は、担保設定の絡み等で、ローンそのものが取り消しとなるのが一般的です。

 

- 住宅関連ローンは大きく2種に大別される -

信販ローン

○工事会社の指定ローンに限定
○お金は工事会社に直接入る
○手続きが簡単
○発注先の変更は出来ない
○ボーナス払いなどの有効活用も

一般の住宅関連ローン

○金融機関等を自由に選べる
○お金はお客様の口座に入るのが基本
○手続きは少し複雑
○発注先は自由に選択できる
○複数の会社に分離発註しても問題はない

他社の作った無料プランで発注すると法律違反に・・・


プラン、デザイン、図面の取り扱いに関しても間違いが目立ちます。最も良くある例は、どこかの会社に、ガーデンや外構のプラン・図面の作成を依頼し、それを他の会社に持ち込み見積もりを取る。相見積もりで安ければ、そこへ発注すると言うケース。しかし、これは法律に違反する行為で、争いになればお客様が罰せられることになります。これは、既に裁判の判例でも実証されている事実です。
受注する側の会社にしても、他社のプランで見積もり・受注するなど常識外。そのような要望に応じるような会社であれば、その時点でレベルの低さを疑ってみるべきです。
これは、プラン、デザイン、図面等は、製作者への保護権が法律的に認められているためで、お客様が他社に発注される場合は、製作者(会社)から有料で買い取ってからでなければなりません。
実際には、法的な問題となることが殆ど無いため、もめることは希ですが、お互いにルールを守ってこそ、良い作品が出来上がるのではないでしょうか。
一方、「見積もり無料」という言葉も良く耳にしますが、「見積もり」に関して会社がお金をいただくことはできません。プラン作成や設計活動をセットとして考え、使われていると思われますが、適切な表現とは言えません。