ガーデニングの楽しさを満喫するためのABC
屋外生活の楽しみ方は様々。でも、最もオーソドックスで人口も多いのが「ガーデニング」でしょう。植栽や造園、花が好きな人、野菜づくりなど実用を兼ねた楽しみ、特種な園芸分野に趣味を持つ人・・・等々、それぞれの違いはあるでしょうが、植物が好きであることに代わりはありません。
このコーナーでは、それら個々の専門知識に踏み入る気はありません。ガーデンのプラン作成という視点から、より快適に楽しんで頂くための大切なポイントに限定し、簡潔に述べておきます。
花壇以外でもガーデニングを楽しむための工夫
残念ながら、一戸建てにしろ集合住宅にしろ、我が国の場合はガーデニングを楽しむための、充分なスペースを確保するのが難しいのが一般的。となれば、花壇以外でも、様々な工夫をしながらスペースを捻出しなければなりません。
当然、ガーデン全体のプランを作成する段階から工夫をしておく必要があります。逆に、限られた空間で、ガーデニングに不向きな外構、ガーデンを作ってしまうと、後々お客様が腕を発揮する大きな妨げとなってしまいます。
そこで、ガーデニング好きのための、外構・ガーデンプランに加えておくべきポイントを、提示しておくことにします。
1つ目のポイントは、アプローチ、階段、ガレージスペースに、できるだけ土の部分を残したレイアウトにすると言うこと。
アプローチや階段と言っても、実際に人が歩く部分はごく一部。この部分には各種舗石材やコンクリートを敷き込む必要があります。でも、歩幅の間、両サイド、階段の蹴上(けあげ)の手前などは、土を残しグランドカバーを植えることで、ガーデニングスペースに変身します。デザイン面でも、その方がより優れたものになります。
2つ目のポイントは、ガレージ土間はガーデニングとの共用スペース・・・と言う考え方で処理すると言うこと。
既に触れたように、ガレージは屋外で最大の空間。しかも、アプローチなどと同様、タイヤが乗り強度が求められるのはごく一部に過ぎません。となれば、中心部、両サイド、後部、などを当然ガーデンニングスペースとして利用すべきです。
特に、夜と休日以外、車が駐車することが少ないガレージスペースは、花壇に準じる緑の空間へと変身させることも可能です。
でも、これらの空間を、コンクリートなどで固めてしまっては、もう後の祭り。特に、新築外構の場合、この様な点まで意識が廻らず、後悔する例が多いのでご注意下さい。
3つ目のポイントは、ハンギングを楽しめる「縦の空間」を意識したプランにすると言うこと。特に、「門廻り」「フォーカルポイント」「デッキの手摺り」
「塀・フェンス」の4ヶ所は、ハンギングのための最適スペース。思い切って高さのあるトレリスやアーチを使ってみてはいかがでしょうか。
できるだけ作業が楽になるプランを作る
ガーデニング好きのあなたでも、ステキな花を咲かせるのに、いくら労力をかけても良いというものではありません。特に、徐々に年を取ってくると、これまでそれほど苦痛ではなかった作業も、腰に負担を感じたり、重くて必要な物が持ち上がりにくくなったりするのは、当然のこと。
これまでは、家の内部とは異なり、ガーデンプランを考える中で、作業を如何に軽減するかと言った発想は、あまりありませんでした。
しかし、欧米ではこれはもう常識。我が家のガーデンももっともっと工夫をし、よりアクティブに、より楽しめるよう、プラン自体に工夫を加えたいものです。そこで、ぜひお勧めしたい項目を3つ上げておくことにします。
1つ目は、花壇自体を一部でも良いから「腰高の位置」につくると言う方法。この様なものを「レイズドベッド」と言います。公共スペースでは次第に普及してきていますが、家庭のガーデンではまだあまり見かけません。
しかし、大きな費用がかかるわけでもなく、毎日の作業と直結する住宅の花壇こそ腰高の位置に作れば、作業が楽になり楽しさ倍増と、なることは間違い有りません。
ポイントとしては、前面の壁が窪んでおり、最低でも足先が入るようにしておくと言うこと。これを忘れると、「レイズドベッド」の意味が無くなってしまいます。
2つ目は、花壇同様腰高の「作業台」を作っておくと言うこと。こちらは、椅子にすわっていても、仕事が出来るようにしておくことが大切です。すでに提示した、立水栓とセットにしておけば、より使い勝手が良くなるでしょう。
3つ目は、近くに余裕のある収納スペースを確保しておくと言うこと。離れた場所での道具などの出し入れ。これが結構苦痛なのですが、有効な収納機能を持った庭というものは極めて希です。でも、ガーデニングを楽しくするために、無くてはならないものです。ぜひ一工夫してみて下さい。
4つ目は、「自動潅水装置」をつけると言うこと。これも欧米では常識。まして、夏の暑さが厳しい日本では必需品と考えた方がよいでしょう。ホームセンターで買い求め自分で取り付けると言うのも良いでしょう。しかし、もしガーデン工事を発注するついでが有れば、プロ用の優れた「自動潅水装置」を安く取り付けることが出来ます。ぜひ試してみて下さい。
植栽、コンテナなどの大きな物は「施工付きで」
植木、草花、コンテナ(鉢、プランター、等)などに関しては、詳しくは触れません。ガーデニング好きのお客様はそれぞれの方法で楽しんで頂ければ良いからです。ただ、植木にしろ、コンテナにしろ、大きな物は施工付きで発注されることをお勧めします。
労力も大変だし、また、そのような細かな仕事も頼める地元の店(会社)が有ると、何かと便利なものです。