梅には百花に先がけ、寒風の中で香りを漂わせて咲く姿や 苔むした枝ぶりの風情など、ウメには私達の心をひきつけてやまないものがあります。
ウメの歴史を教えてください。
奈良時代に中国から持ち帰られたといわれています。その頃は桜より愛でられていたそうです。「万葉集」の頃は白梅が、平安時代になると紅梅がもてはやされたようです。梅干しが一般の家庭に普及したのは、江戸に入ってからです。幕府がウメを植えることを奨励し、江戸中期には冬が近づくと梅干し売りが街を呼び歩き、冬を告げる風物になったようです。
ウメの実を楽しむなら、どんな種類がありますか。
ウメは同一品種だけでは結実しにくいので同時期に咲く他品種を近くに植えるか、接木をします。一種でも比較的、結実するのが「豊後」「花香美」、花が多く梅干しに最適なのは「南高」です。
庭にウメを植えたいのですが注意点があれば教えて下さい。
ウメは日当たりがよく、水はけのよい場所を好みます。植え付けは落葉から発芽までの落葉期が最適です。春の訪れを告げてくれるだけでなく、やがて実をつけて梅干しや梅酒作りなどの加工も楽しむことができます。お庭にウメを植えませんか。