兵庫県西脇市 エクステリア・外構・ガーデニングなど… ガーデン・庭づくりの事ならおまかせ下さい

今回は、天竜地区の日本3大美林から産出する「天竜杉」を取り上げます。

　 「天竜」と言う地名は、天竜川に由来するもの。昔何度も大洪水を引き起こしたあばれ川であったため、天の竜などという恐ろしくも、ロマン溢れる名前が付けられました。

　「天竜杉」の主産地は、その天竜地区で、現在の地名は静岡県浜松市天竜区となります。浜松市内と言うことですが、広さは同市の3分の2近く（944km2）を占め、岐阜県、愛知県と県境を接する山岳地帯です。ただし、天竜川の治水も兼ねて古くから植林が行われ、奈良県の吉野地区と共に、日本を代表する人工林が形成されています。

　「天竜杉」あるいは天竜地区人工林の歴史は古く、1470年頃、春日野町にある秋葉神社の境内林として既に植林が開始されたと言う記録があります。そして、江戸時代の中期には、青山善衛門と言う人物が「こけら板」と言う建材を開発し、江戸市場を独占するほどの人気を得ました。つまり、この頃には既に「天竜杉」が有名になり、天竜人工林のベースが出来上がっていたと言うことです。

　さらに、明治の中期に金原明善と言う人物が登場します。この頃、既に紹介したとおり、天竜川は周辺地区に多くの災害を引き起こしました。この治水のため、明善は植林に尽力し、生涯でスギ249万本、ヒノキ49万本を献植しました。また、私有林にも401万本を植林し、天竜地区人工林を日本を代表する美林に育て上げました。

　ただし、「吉野」にしても「天竜」にしても、住宅産業の衰退、鉄骨・2×4等への構造変化、外材との競争による価格低下、そして深刻な人手不足・・・等、厳しい状況に追い込まれています。まったく新しい発想転換がないと、この危機を乗り切ることは困難です。

　「天竜杉」を代表する木として、大光寺の「春杢杉」と言う巨木があり有名です。同地区は、豊かな自然・佐久間ダム等でも知られる観光地でもあります。訪れる機会があれ大杉見学も面白いのでは・・・

ひと口アドバイス。
「青山善衛門、金原明善など先人の活躍で代表的美林となった、天竜地区＆天竜杉！」